機械規則 (EU)2023/1230 の安全部品(Safety Component)は、“CE+CE=CE”の重要な役割を持つ。
機械規則(REGURATIONS)は、2023年6月29日に官報に掲載され、機会指令(2006/42/EC)は、2027年1月に 機械規則(EU) 2023/1230に切り替わります。
ここで規則の安全部品(Safety components)について、本文にどの ような説明があって、それらの要求は何を意味しているのか、CE+CE=CEの技術的な側面から解釈してみます。
[1] 機械規則 (EU) 2023/1230 REGULATIONS
REGULATION (EU) 2023/1230 OF THE EUROPEAN PARLIAMENT AND OF THE COUNCIL of 14 June 2023 on machinery and repealing Directive 2006/42/EC of the European Parliament and of the Council and Council Directive 73/361/EEC (Text with EEA relevance)
機械に関する2023年6月14日付欧州議会および理事会規則 (EU) 2023/1230
欧州議会および理事会指令 2006/42/EC および理事会指令 73/361/EEC を廃止する (EEA関連文書)
[2] Clause (15) 第(15)章
In order to ensure that the scope of this Regulation is sufficiently clear, a distinction should be made between machinery, related products and partly completed machinery.
Moreover, related products should be understood as comprising interchangeable equipment, safety components, lifting accessories, chains, ropes and webbing, and removable mechanical transmission devices, which are all products within the scope of this Regulation.
本規則の適用範囲を十分に明確にするため、機械、関連製品及び部分的に完成した機械を区別する。
さらに、関連製品は、交換可能な機器、安全部品、吊り上げ付属品、チェーン、ロープおよびウェビング、ならびに取り外し可能な機械式伝動装置から構成されるものとして理解されるべきであり、これらはすべて本規則の適用範囲内の製品である。
【解釈・コメント】
部分的に完成した機械、及びそれらの関連部品についての記述で、安全部品(Safety components)、即ち CE+CE=CEの中でも安全に関わる重要部品(critical components)で、CE marking(第三者認証品)部品であって、最終完成品(Final product)に組み込まれる極めて重要な部品で、他にも安全部組品(Partly completed product)として含まれる場合がある。
設計段階でこの安全部品を使用する場合、最終装置・機械のリスク分析(Risk Analysis)を行って、適切な部品の選択とその妥当性の検証が必要となる。(ISO 13849-2)
https://fujisafety.jp/service.html#20220830
[3] Clause(19) 第(19)章
The evolution of the machinery sector has resulted in the growing use of digital means and software plays a more and more important role in machinery design.
Consequently, the definition of machinery should be adapted.
In this respect, machinery missing only the upload of software intended for the specific application foreseen by the manufacturer, and which is the subject of the conformity assessment procedure of the machinery, should fall under the definition of machinery and not under the definitions of related products or partly completed machinery. Furthermore,
the definition of safety components should cover not only physical devices but also digital devices. In order to take into account the increasing use of software as a safety component, software that performs a safety function and which is placed independently on the market should be considered a safety component.
機械部門の進化により、デジタル手段の使用が増え、機械設計においてソフトウェアが果たす役割はますます大きくなっている。
その結果、機械の定義を変更する必要がある。
この点で、製造者が予見した特定の用途のために意図されたソフトウェアのアップロードのみを欠く機械であって、機械の適合性評価手続の対象となるものは、機械の定義に該当すべきであり、関連製品や部分的に完成した機械の定義には該当しない。
さらに、安全部品の定義は、物理的な機器だけでなく、デジタル機器も対象とすべきである。
安全部品としてのソフトウェアの使用が増加していることを考慮し、安全機能を果たすソフトウェアで、単独で市場に出回るものは安全部品とみなすべきである。
【解釈・コメント】
最近のデジタル化された機械・装置は、安全部品(Safety components)の機能にソフトウエアが内蔵されているものが多くなっている。
このソフトウエアのよる動作は、機能を損じたら安全が失われるようなことないように設計して、その妥当性を検証することが益々重要となってきている。
安全に関わるソフトウエアコントロールは、装置のトータルシステムとしてのリスク分析(Risk Analysis)手法を活用して設計源流段階での対応が必要となる。
https://fujisafety.jp/case1.html
[4] Clause(20) 第(20)章
Considering their critical protective function, certain components included in the indicative list of safety components in Annex II should also be subject to specific conformity assessment procedures and included in Annex I.
その重要な保護機能を考慮し、附属書Ⅱの安全部品の指標リストに含まれる特定の部品も、特定の適合性評価手順の対象とし、附属書Ⅰに含めるべきである。
【解釈・コメント】
附属書 II (安全コンポーネントの参考リスト)にある安全部品は、下記のようになっている。
即ち、安全機能を有して、機械・装置の故障、又は誤作動の安全対策として使用されるもので、単独で市場に流通する部品、又は部組品であって、通常の構成部品でそれらの機能は代用できるものも含まれる。
広範囲の機械分野で具体的なことをイメージすることが容易でないが、何が危険であって、そのリスクを低減して安全性を確保出来るか、見落としのないリスクアセスメントを行って対象の部品・部組品(デバイス)を選択と妥当性の検証を行って対応することが重要である。
https://fujisafety.jp/files/case/JS4-No4-2.pdf
- 着脱可能な機械式伝達装置用のガード
- 人の存在を検出するように設計された保護装置
- 機械の安全装置として使用するように設計された動力式連動可動ガード
(附属書 I、パート B のポイント 9、10、および 11 に記載)
- 安全機能を確保するためのロジックユニット
- 機械の危険な動作の制御を目的とした故障検出のための追加手段を備えたバルブ
- 機械の排出ガスの抽出システム
- 機械のプロセスに関与する可動部品から人を保護するように設計されたガードおよび保護装置
- 吊り上げ機械の積載および動作制御のための監視装置
- 人を座席に座らせておくための拘束システム
- 緊急停止装置
- 潜在的に危険な静電気の蓄積を防止するための放電システム
- エネルギー制限装置および緩和装置 (附属書 III のセクション 1.5.7、3.4.7、および 4.1.2.6 に記載)
- 騒音と振動の放出を低減するシステムと装置
- 転倒防止構造(ROPS)
- 落下物保護構造物 (FOPS)
- 両手制御装置(EN L 165/42 欧州連合官報 2023年6月29日)
-
異なる踊り場間で人を昇降させるために設計された機械の以下のコンポーネント
- 乗場ドアをロックするための装置
- 荷物運搬ユニットの落下や上方への無制限の動きを防止する装置
- 過速度制限装置
- エネルギー蓄積型ショックアブソーバー、非線形または戻り動作の減衰を伴う
- エネルギー散逸ショックアブソーバー
- 油圧回路のジャッキに取り付けられ、落下を防止するために使用される安全装置
- 電子部品を含む安全スイッチ
- 安全機能を確保するソフトウェア
- 完全、又は部分的に自己進化する安全コンポーネント(安全機能を保証する機械学習アプローチを使用)
- オペレーターや他の人を危険な材料や物質から保護するために機械のキャビンに統合されることを目的とたろ過システム (植物保護製品、及びろ過システム用のフィルターを含む)