RoHS指令

RoHS指令

RoHS指令とは、「電気・電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限The Restriction of the use of certain Hazardous Substances in Electrical and Electronic Equipment (RoHS)」に関する2003年1月27日付欧州会議、及び欧州理事会指令2002/95/EC」のことで、2013年1月より改正RoHS指令(2011/65/EU)として施行されてCE マーキングに組み込まれました。
これにより電気・電子機器にCEマーキングするためには、機械、低電圧、EMC指令などと共にRoHS指令に適合することが要求されます。

RoHS規制内容

  • AC1000V/DC1500V以下の定格電圧を持つすべての電気・電子機器
  • 対象製品に規制6物質(下記)を含有してはならない。

最大許容濃度(*均質材料あたりの重量比)

*注)均質材料(Homogeneous Material): 機械的に別々の材料に分離出来ない材料

規制物質 最大許容濃度
1.カドミウム 0.01%(100ppm)
2.水銀 0.1%(1000ppm)
3.鉛 0.1%(1000ppm)
4.六価クロム 0.1%(1000ppm)
5.ポリ臭化ビフェニル類(PBB) 0.1%(1000ppm)
6.ポリ臭化ジフェニルエ-テル類(PBDE) 0.1%(1000ppm)

-2005年8月18日付の官報2005/6/18-

出典(図):RoHS指令・改正RoHS指令の説明
経済産業省合同勉強会資料

EU指令(Cマーキング)としての全体図

従来の機械、低電圧、EMC指令のCEマーキングにRoHS指令が関連づけられて
有害物質規制(RoHS)がCEマーキングの必須要件となった。

製品がRoHS 規則の対象となるかどうかの判断

出典:英国産業貿易省(DIT)RoHS規則ガイダンス

改正RoHS 指令の対象製品と強制開始時期

規制の対象・除外となる製品は、次の表でカテゴリー(Cat.)別に分けられて、強制開始時期が決められています。Cat.1~7は、既に2013年1月から強制開始されて、Cat.8の医療機器、Cat.9の産業用機器は、2014年7月22日から強制開始されます。

適用製品 Applicable(第2条1項・2項、第4条1項・3項)

カテゴリー(付属書Ⅰ)  強制適用開始
(第4条3項)
RoHS指令の対象外扱い
修理・再利用・機能向上のための
スペアパーツ・専用ケーブル
(第4条1項)
(Cat.1) 大型家庭用電気製品 2006年7月1日 2006年6月30日までに上市された機器に使うもの
(Cat.2) 小型家庭用電気製品
(Cat.3) IT及通信機器
(Cat.4) 民生用機器
(Cat.5) 照明装置
(Cat.6) 電気電子工具
(Cat.7) 玩具、レジャー・スポーツ用品
(Cat.8) 医療機器 2014年7月22日 2014年7月21日までに上市された機器に使うもの
体外診断用医療機器(IVD) 2016年7月22日 2016年7月21日までに上市された機器に使うもの
(Cat.9) 産業用監視・制御機器 2014年7月22日 2014年7月21日までに上市された機器に使うもの
工業・産業用監視及び制御機器 2017年7月22日 2017年7月21日までに上市された機器に使うもの
(Cat.10) 自動販売機 2006年7月1日 2006年6月30日までに上市された機器に使うもの
(Cat.11) 上記カテゴリーに入らないその他の電気・電子機器 2019年7月22日 2019年7月21日までに上市された機器に使うもの

適用除外製品 Exclusion(第2条4項)

項目 適用除外分野
a 軍事目的の武器、軍需品、及び軍事用機材
b 宇宙に送ることを目的として設計された機器
c この指令の範囲から除外されるか、又は分類されない別の種類の機器の一部として設計され、設置される機器。当該機器の一部の場合に限り、その機能を発揮し、同様に設計された機器によってのみ置き換えることができるもの。
d 据付型大型産業用工具
e 大規模な固定式の設備
f 人や貨物を運搬する手段、ただし型式認可されていない電動二輪車を除く
g 専門的用途に限り、利用可能な道路通行用でない移動体機器
h 能動型埋め込み医療機器
i 住宅や発電所などシステム型の太陽発電パネル
j 企業間ベースでのみ利用可能な研究開発だけの目的として特別に設計された機器

改正RoHS指令が要求する製造・輸入・流通業者の義務

指令の要求 (第7条):整合規格 EN 50581:2012

(a) 適合性の確認電気・電子機器が本指令の要求に従って有害物質の含有率が許容値以下であるように製品を設計、製造すること。

(b) 内部設計監理
  No.768/2008/EC付属書Ⅱのモジュ-ルAに従うこと。

(c) CEマークの表示
  要件に適合していると証明された場合、EU適合宣言書を作成してCEマーキングを表示すること。

(d) 技術文書の作成と保管
  製品が上市された後、10年間、技術文書、EU適合宣言書を保管すること。

(e) 設計変更への対応
  適合の維持管理を行い、設計変更、整合規格の変更の場合は、適切に対応すること。

(f) 流通業者への通知
  製品リコールの場合には、製品リコールを流通業者に通知すること。

(g) 製造業者の製造番号・ロットの管理
  製品の識別をして必要な情報な情報を製品、包装上に表示すること。

(h) 連絡先の表示
  製品の名称、又は登録商標、住所を表示すること。

(i) リコール・当局への通知
  リコールの場合、速やかに是正措置をとり、加盟国の所轄当局に通知すること。

(j) 文書や情報の提示と協力
  情報、及び文書は、当該当局が理解し易い言語で対応、協力すること。

対象者 製造業者(7条) 輸入業者(9条) 流通業者(10条)
確認 適合性確認(a) 適合品のみを上市
管理 内部設計監理(b) 製造業者のコンプライアンス管理の確認
マーク 適合宣言とCEマーク貼付(c) 確認
文書 適合宣書技術文書の作成と保管(d)
有効性確認 設計変更への対応(e)
不適合 ・リコール(i)
・当局へ通知(i)
・流通業者への通知(f)
・リコール
・当局への通知
製品識別 シリアル番号などの情報表示(g) 確認
連絡先 連絡先の表示(h) 確認
実証 文書や情報の提示と協力(j)

RoHS指令が要求する技術文書

これは、EN50581:2012「有害物質制限に関する電気・電子製品の評価のための技術文書 Technical documentation for the assessment of electrical and electronic products with respect to the restriction of hazardous substances」に従って対応します。この規格書の序文は、RoHS有害物質規制に対して基本的な考え方が示されていて、特に適合の根拠(エビデンス)としての技術文書を作成する上で重要です。

序文

電気・電子製品に含まれる特定物質には法律、あるいは顧客の仕様により制限されているものがある。このため最終製品の製造業者は、製品に適用される物質制限に適合していることの立証を可能とする必要がある。
 
「均質材料」のレベルで適用されるこれらの物質制限に対しては、最終的に組み立てられた製品に含まれる全ての材料を自ら試験することは、複雑な製品の製造業者にとっては現実的ではない。その代わりに、製造業者はサプライヤーと協力して適合性を管理し、適合性の証拠としての技術文書を作成する。このアプローチは、産業界、及び執行当局の双方から認められている。
 
本欧州規格の目的は、適用される物質制限に適合することを宣言するために製造業者が作成する必要のある技術文書について規定することである。このようにして、本欧州規格は、2011年6月8日付の電気・電子機器中の特定有害物質の使用の制限に関する欧州議会、及び理事会指令2011/65/EU(RoHS)をサポートするものである。
 
本欧州規格は、世界における他の物質規制への適合性を立証するという使い方を見出せる可能性もある。

製造業者の任務 Tasks to be undertaken by the manufacturer

1.必要な情報を決定する。
Determine the information needed

要求される技術文書のタイプは、以下の評価結果に基づくこと。

a)制限物質が材料、部品、組立部品に含有される可能性

*技術的判断、文献調査に基づいても良い。

b)サプライヤーの信憑性

*製造プロセスで付加される材料(半田、ペイント、接着剤 etc.含む)

[注記] 評価の際の追加情報

  • 当該部品や組立部品に典型的に使用される材料の種別
  • 各材料種別における制限物質の含有確率の時代の変遷
  • サプライヤーの経験度
  • 過去のサプライヤー査察や監査の結果

2.情報を収集する。
Collecting information

評価結果に基づき、材料、部品、組立部品の下記の文書(and/or)を収集すること。

a) サプライヤーの宣言書、あるいは誓約書

  • 含有する量が許容値以下であることを確認、又は適用除外を特定する宣言書
  • 制限物質の最大含有量に関して、要求仕様を満たしていることの誓約書

★必要条件として、宣言・誓約書は、材料、部品、組立部品の適用範囲を設定すること。

b) 材料宣言
Material Declaration

特定の物質の含有と適用されるあらゆる除外情報について材料宣言を行う。

c) 試験分析報告

EN 62321に基づく材料の試験分析結果レポート

3.情報の評価
Evaluation of information

情報収集した文書の品質と信憑性を評価するための手順を作成すること。
評価の基準:適合性の証拠となっているかどうか。
(品質と信憑性の観点から情報を評価し、技術文書に加えるかどうかを判断)

  • 根拠が十分である場合  → 当該文書を技術文書に記載
  • 根拠が不十分である場合 → 対策の決定とサプライヤーへ追加要求。又は、製造業者が自ら試験分析を実施

4.技術文書の見直し
Review of the technical documentation

  • 技術文書の定期的な見直し(有効性を保っているか?)
  • 変更がある場合に技術文書にその内容が反映されているかどうかの見直しをおこなう。

★変更の適合確認のために適切な整合規格、技術仕様変更を十分考慮する。

技術文書

768/2008/EC決定
『付属書Ⅱ モジュールA 「内部製造管理」 *2011/65/EUと技術文書の関係』より

  1. 製品の概略説明
    ・製品の一般的記述
    ・仕様書
  2. 概念設計書と製造図面、及び部品、組立部品、回路の組立図
    ・材料、部品、組立部品の情報、文書
    ・製品中の材料、部品、組立部品の対応関係を示す情報
    ・引用された整合規格、あるいは他の技術仕様書の一覧
  3. これらの図面、及び製品の操作を理解するために必要な説明
  4. 全体、又は一部を内部生産管理に適用した欧州官報公示の整合規格、又は関連技術仕様書の一覧、又はこのような整合規格が適用されていない場合は、法の定める本質的要求事項を満たすためにどのような解決策を採用したかの説明。
  5. 設計時の計算の結果、検査結果など。
  6. 試験報告書
  7. 技術ファイルとして少なくとも材料、部品、及び組み立て部品に関する下記の情報を含む。
    ・サプライヤー宣言、あるいは誓約書
    ・材料宣言
    ・分析試験結果
  8. 材料、部品、組立部品の情報、及び文書
  9. 製品中の材料、部品、組立部品の対応関係を示す情報
  10. 引用された整合規格、あるいは他の技術仕様書の一覧

RoHS リスクアセスメントレポート(例)

CE 宣言書の例(RoHS 指令)

※分析試験を行った場合には、下記の規格を適用したことを追記する。