CEマーキングとニューアプローチ指令

CEマーキングとは何か?

CEマーキングはEU(欧州連合)加盟国に製品を流通・販売するための仕組み(法規制)で あり、いわばパスポートのような役割を果たします。
製品に適用されるEU指令がCEマーキングを義務付けている場合、製品を市場に投入する前に該当する指令に適合していることを確認してCEマークをつけることが義務となります。そして、その適合の根拠を文書として作成、維持管理することが要求されます。

CEマーキングの目的は、EU域内における製品の安全性の品質に関する規制を統一化し、
住民の健康と財産、そして環境を守ることにあります。言い換えれば、危険な製品をEU市場に流通させないための仕組みです。
CEマーキングは、ニューアプローチ指令が定めた必須要求事項を満たし、指令が規定する適合性審査の手続きに従った製品であることを示すもので、指令への法律的な適合を示しているだけで、安全を含めた製品の品質を保証するものではありません。

ニューアプローチ指令とは何か?

(1)製品の安全性や品質などの規制統一を従来の考え方とは違う、新しい考え方で定めた指令のことです。

従来の考え方とは何か?

安全や品質などの技術基準を細部にわたって規定する方法(オールドアプローチ)

歴史的経緯

1957年 欧州経済共同体設立条約(ローマ条約)
欧州市場統合(1992年末を期限)のため、 製品を規制する指令を制定。
→ 技術基準を細部にわたって規定する方法を採用

~この方法の課題~

  1. EU加盟国の技術基準がそれぞれに異なる。
  2. 技術基準の整合作業が進まない。
    (この方式は、後にオールドアプローチと呼ばれ、現在でも自動車等の規制に残っている。)
1972年 ローベンス報告(英国の労働安全政策の改革)
特定分野や特定事項の規制
→ 細分化煩雑、つぎはぎだらけ、隙間ばかり狙う態度

制定法の強制規格でなく、任意規格による規制
→ 自主的対応促進で事故が激減
1985年 理事会決議
「技術的調和と基準に関するニューアプローチ」
→ 域内で製品の安全性や品質の基準を統一するための原則を規定
1989年 理事会決議
「認証と試験に関するグローバルアプローチ」
→ 製品の適合性審査に関するEUの政策の原則を規定
1993年 理事会決定 → CEマーキング導入

ニューアプローチ指令の概要

  1. ニューアプローチに基づく指令は、必須要求事項のみを規定しています。
    必須要求事項を満たす製品の技術仕様を整合規格(Harmonized Standard)と言われ、その規格は欧州標準化機関(CEN, CENELEC, ETSI)が定めています。
  2. 整合規格の採用は任意です。しかし、製造規格を用いない場合は、第三者機関、または独力で適合性を証明する必要があります。実質的に、製品を整合規格に適合させることが、必須要求事項を満たす要件になっています。
  3. ニューアプローチ指令の詳しい内容についてはこちらをご参照ください。
    → http://www.newapproach.org/
  4. EU加盟国に関する情報はこちらをご参照ください。
    → http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/eu/map_05.html

ニューアプローチ指令からNLFへ

CE マーキングは、製品のマーケティングに関する新法令枠組み(NLF:New Legislative Framework)

CE マーキングは、製品のマーケティングに関する新法令枠組み(NLF:New Legislative Framework)が2008 年8 月にEU 官報により公布され、事業者の義務、及び適合性評価手続き等の強化が行われることになりました。これに伴い、NLF への整合化が図られ、2011 年11 月に、欧州委員会より、関連の9 指令〔低電圧、EMC(Electromagnetic Compatibility:電磁両立性)、リフト、防爆機器、単純圧力容器、計量器、非自動はかり、民需爆薬、花火等〕の改正案が公示され、その後、欧州議会及び理事会で審議が行われています。

New Legislative Framework(NLF)への移行  (NLF発行 2010年1月1日)

対象はニューアプローチ指令の範囲で施行日以降の関連指令を改正する場合には、NLF整合化が必要となります。

・規則 Regulation 764/2008/EC
他国に上市する製品の(一般)技術規則
「ある国の技術基準を他の加盟国で合法的に市販されている製品に適用する手順」
・規則 Regulation 765/2008/EC
認定、市場監視(輸入含む)、CEマーキング一般原則を規定
「製品の売買に関係する認定と市場監視の要求事項」
・不安全問題の通知・掲載は、2001/95.EC GPSD(General Product Safety Directive:
 一般製品安全指令に準ずる。
・2010年1月から施行、2013年9月までに効果レポート
・決定 Decision 768/2008/EC
製品を販売することに対する共通事項について規定
「製品売買のための共通枠組み」

(例) 上市の定義 Manufacturers / Importers /Distributorsの義務

製品安全法体系 (2013/7現在)

整合規格消費者製品産業用製品
EU指令(CEマーキング)
一般製品安全指令
EU指令(CEマーキング)
グルーバルアプローチ指令
一般製品安全指令加盟国別の独自規格(規制)
備考: 一般製品安全指令(GPSD)

「製品の種類に応じた特別な指令の規制対象となっていない消費者が使用する製品全般」
※EU指令やその他の指令・規則の対象となっていない消費者用の製品は、GPSDが適用される。

NLFで何がどう変わったか? どうしないといけないのか?

1. Simplification (簡素化)

  • 制度の簡素化・整合化を図り、手続きなど管理的な負担を軽減する。
  • 指令ごとに適合宣言書や技術文書の項目が微妙に異なることに対して統一した規定を作り、それを引用する。
  • 既存の指令は、改正する時にNLFを盛り込む。
  • 改正RoHS指令は、NLFに対応済み。

2. Think Small First (中小企業)

  • 制度設計に中小企業(Small and Medium sized Enterprise : SME)の声を反映する。
  • 中小企業向けに指令のガイドラインを整備する。 *日本企業にも貴重な指針
  • 中小企業の負担を軽減する。※コスト削減効果を期待。

3. Market Surveillance (市場監視)

  • CEマーキングの乱用に対し、市場強化、
    監視レベルを均一化してCEマーキングの信頼の回復を図る。
  • 危険な製品は、市場から回収させる。
  • 製造業者、認定代理人、輸入者、販売業者は、製品の購入先と販売先の記録を保管するように規定する。(決定 768/2008/EC 付属書Ⅰ R7条)
  • 改正RoHS指令 12条 2011/65/EU  *2011.7.1

4. NLF発効後に残存している問題点

1. 特に整合規格がない領域で不平等が発生
・ 指令をきちんと守る企業、守らない企業(特に輸入品)の格差
・ 執行監視体制が緩い加盟国を介して、不安全製品が流出している現実
2. 不十分な執行監視体制、一部の信用できない第3者機関
乏しい加盟国間の協力関係(一貫性の欠如、法律による制限)
危険情報の加盟国間での情報共有インフラや仕組みの不足
執行監視がカバーされている領域が不明確(一般製品安全指令とニューアプローチの範囲)

5. 製品安全と執行監視パッケージとして、欧州委員会が法律提案 (2013年2月)

  • 執行監視規則案  *法律提案
  • 執行監視の20アクションプラン(案)
  • 認定機関(第3者認証機関を認定)に関するガイダンス(案)
  • 消費者製品安全規則案(一般安全指令の規則への格上げ) *法律提案
  • Regulation 765/2008/EC改正(案)レポート
  • 平行して、新ブルーガイドの作成、NLF整合化促進

6. 新ブルーガイドの経過と今後の日程 (2013/8/末現在)

2012/10タイトルと目次のみ一般公開
2013/12初版ドラフト一部公開
2013/9第2版ドラフトを公開
2013/10公布予定  *欧州委員会6月時点

※ご参考: ブルーガイドブック(解説書)(2000年)
「適合性評価のガイドラインと詳細な手順」

ブルーガイドブック

http://ec.europa.eu/enterprise/policies/single-market-goods/files/blue-guide/guidepublic_en.pdf

7. NLF整合化促進 (2013/8/末現在)

2011/119指令(前述[6]参照)整合化する報告
2013/7 議会IMCO(域内消費者保護)委員会での審議
上記9指令の改正案
R&TTE(無線・通信端末)指令、改めRE(無線機器)指令
欧州本議会(2013/11/19)目指して最終調整中